4月から四種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの混合ワクチン)にヒブワクチンが加わった5種混合ワクチンの接種が開始しました。また、肺炎球菌ワクチンも今まで13種類の菌の型が含まれる13価が使用されていましたが、4月からは15価ワクチンの使用、さらに10月からは20価ワクチンの使用が始まりました。
この新しいワクチンは、接種方法が今までのワクチンと少し違います。今までのワクチンは皮下注射(皮膚と筋肉の間に注射液を入れる)のみでしたが、新しいワクチンは、皮下注射と筋肉注射(筋肉内に注射液を入れる)両方が可能です。
皮下注射と筋肉注射
日本以外の国では、予防接種はほとんど筋肉注射で行われています。皮下注射で行っているのは日本だけです。どうして日本だけ皮下注射になったか?これには歴史的な背景があります。1970年代に、抗生剤や解熱剤を筋肉に注射をする治療が普通に行われていました。大量に何度も注射をしたため、大腿の筋肉が破壊され機能障害を起こす「大腿四頭筋拘縮症」が社会問題になりました。それで予防接種は皮下注射で行われるようになりました。ただし予防接種で注射する液の量は少ないので、そのような副作用はありません。2000年代から使用されるようになったワクチン、例えば子宮頸がんワクチン、新型コロナウイルワクチン、帯状疱疹ワクチンは皆筋肉注射です。
筋肉注射のメリットもあります。皮下注射より筋肉注射のほうが免疫がつきやすく、注射部位が腫れたり熱を出したりする副反応も少ないといわれています。
筋肉注射は痛みが強いというイメージがありますが、皮下注射と比べて特に痛みが強いことはありません。痛みは接種する医師の技量によると思います。
ということで、当院では5種混合ワクチン、15価、20価肺炎球菌ワクチンの接種は筋肉注射で行います。
キャッチアップ接種について
子宮頸がんワクチンは平成25(2013)年から定期接種ワクチンに組み入れられました。しかし、接種後に生じる多様な症状等について十分に情報提供できない状況にあったことから、個別に接種をお勧めする取組を一時的に差し控えていました。「積極的勧奨の差し控え」その後、安全性に問題ないことが確認され、令和3(2021)年11月の専門家の会議で、安全性について特段の懸念が認められないことがあらためて確認され、「積極的勧奨の差し控え」が取り下げられ、普通に個別に接種ができるようになりました。
ただし、平成25(2013)年から令和3(2021)年の期間(「積極的勧奨の差し控え」の時期)に、ワクチンの接種機会を逃した方がいます。こうした方に、公平な接種機会を確保する観点から、定期接種の対象年齢以外の方に、あらためて公費での接種の機会を提供しています。これがキャッチアップ接種です。
キャッチアップ接種は令和7年3月末で終了します。
キャッチアップ接種の対象者は、平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性です。
ワクチンは3回接種します。通常の接種間隔は1回目から2ヶ月開けて2回目接種。1回目から6ヶ月開けて3回目を接種します。つまり最短で6か月の間隔が必要です。なので1回目の接種が9月過ぎると規定の回数が受けられなくなります。
しかし通常の間隔で接種ができなかった場合、以下の方法が認められています。
1回目から1カ月以上開ければ2回目が接種でき、2回目から3カ月以上開ければ3回目が接種できます。つまり1回目を11月末までに接種すれば、2回目を12月末(年末の休診日に注意)に接種でき、さらに3回目は2025年3月末までに接種できます。
10月1日から接種を開始しています。
接種は予約が必要になります。(65歳以上の方は予約の必要はありません)
【予約の方法】
・予約の受付は、平日11時から12時までと、13時30分から14時30分まで。
・予約は接種希望日の1週間前から受け付けます。
・当院の診察券をお持ちの方は、窓口でも電話でも予約を受け付けます。
・初めての方は、保険証を持参して窓口で予約をしてください。
・予約を取られた方は、事前に予診票を取りに来て、記入した予診票を接種当日持参してください。
【接種時間】
①平日16時から17時
②土曜日9時から11時
【接種料金】
3歳以上
1回目 5000円
2回目 3000円(当院で1回目を受けた方)
6ヶ月以上3歳未満
1回目 4000円
2回目 2000円(当院で1回目を受けた方)
13歳未満の方は2回接種が原則です。
2回目の接種は1回目から2から4週後です。
ワクチンの在庫がなくなり次第接種を中止します。
当院で1回目の接種を受けた方の2回目分のワクチンは確保してます。
尚、アイチケットによるオンライン受付はできません。
生活習慣病管理料(Ⅱ)について
令和6年(2024年)6月から厚生労働省の方針で、高血圧・脂質異常症・糖尿病のいずれかを主病名とする患者様は、従来の特定疾患療養管理料から「生活習慣病管理料(Ⅱ)」へと移行します。この改定によって、患者様には個々に応じた目標設定、血圧や体重、食事、運動に関する具体的な指導内容、検査結果を記載した「療養計画書」へ署名をいただくことがあります。ご協力をお願いします。
一般名での処方について
政府は医療費を抑えるためにジェネリック医薬品の使用を推し進めています。現在、先発、ジェネリックを問わず医薬品の供給が不安定な状況が続いています。そのため当院では、一般名(有効成分の名称)での処方箋の発行を行っています。