小さいお子さんの採血は、採血をする側も、採血を受ける側(親御さんも含めて)も大変な負担がかかります。
当院では、指先から血液1滴を採血して下のイラストにある41種類のアレルゲンの検査が可能な機械(ドロップスクリーンA-1)を使用しています。
何らかのアレルギーの症状を持っている方が対象になります。症状がない方が漠然とアレルギーの検査を希望する場合、保険は適用されませんので自費での検査になります。
尚、検査を希望される方が集中した場合、検査をお断りすることもあります。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、主に性行為によって感染します。性行為を経験する年頃のなると多くの人が感染します。感染するのは男女を問いません。女性が感染すると子宮頸がんの原因となることが知られています。これを予防するために現在は小学6年生から高校1年生担当の女子は、定期接種として無料でHPVワクチンの接種を受けることが可能になっています。
あまり知られていませんが、HPVワクチンは男性への接種も可能です。世界的には男性への接種を行っている国は多くあります。日本も2020年12月から男性への接種が可能になっています。接種は任意接種で自費になりますが、公費で行う自治体も少しずつ増えてきています。(東京都では多くの自治体が公費負担)
男性へのHPVワクチン接種の意義
1)女性の子宮頸がんの発症のリスクを減らす
性行為によって男性が女性にHPVを感染させる危険があるため、男性がワクチンを受けることによって女性の子宮頸がん発症のリスクを減らすことができます。
2)HPV感染によって発症する男性の病気の発症のリスクを減らす
男性がHPVに感染すると、尖圭コンジローマ(性器周辺にできる良性の腫瘍)、肛門がん、咽頭がんの発症のリスクを減らします。
接種年齢
HPV感染症は性行為によって感染するので、性交渉を行う前に接種するのが望ましいとされ、12-13歳頃が適していると考えます。
ワクチンの種類、接種方法
現在使用されているHPVワクチンは、2価、4価、9価の3種類ですが、男性に接種できるのは4価のガーダシルです。
接種は筋肉注射で回数は3回です。接種間隔は、2か月の間隔をおいて2回接種した後、1回目から6か月の間隔をおいて3回目を接種する。
接種料金は、1回15000円です。
接種を希望される方は、ご連絡ください。
2024年4月から四種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの混合ワクチン)にヒブワクチンが加わった5種混合ワクチンの接種が開始しました。また、肺炎球菌ワクチンも今まで13種類の菌の型が含まれる13価が使用されていましたが、2024年4月からは15価ワクチンの使用、さらに2024年10月からは20価ワクチンの使用が始まりました。
この新しいワクチンは、接種方法が今までのワクチンと少し違います。今までのワクチンは皮下注射(皮膚と筋肉の間に注射液を入れる)のみでしたが、新しいワクチンは、皮下注射と筋肉注射(筋肉内に注射液を入れる)両方が可能です。
皮下注射と筋肉注射
日本以外の国では、予防接種はほとんど筋肉注射で行われています。皮下注射で行っているのは日本だけです。どうして日本だけ皮下注射になったか?これには歴史的な背景があります。1970年代に、抗生剤や解熱剤を筋肉に注射をする治療が普通に行われていました。大量に何度も注射をしたため、大腿の筋肉が破壊され機能障害を起こす「大腿四頭筋拘縮症」が社会問題になりました。それで予防接種は皮下注射で行われるようになりました。ただし予防接種で注射する液の量は少ないので、そのような副作用はありません。2000年代から使用されるようになったワクチン、例えば子宮頸がんワクチン、新型コロナウイルワクチン、帯状疱疹ワクチンは皆筋肉注射です。
筋肉注射のメリットもあります。皮下注射より筋肉注射のほうが免疫がつきやすく、注射部位が腫れたり熱を出したりする副反応も少ないといわれています。
筋肉注射は痛みが強いというイメージがありますが、皮下注射と比べて特に痛みが強いことはありません。痛みは接種する医師の技量によると思います。
ということで、当院では5種混合ワクチン、15価、20価肺炎球菌ワクチンの接種は筋肉注射で行います。
生活習慣病管理料(Ⅱ)について
令和6年(2024年)6月から厚生労働省の方針で、高血圧・脂質異常症・糖尿病のいずれかを主病名とする患者様は、従来の特定疾患療養管理料から「生活習慣病管理料(Ⅱ)」へと移行します。この改定によって、患者様には個々に応じた目標設定、血圧や体重、食事、運動に関する具体的な指導内容、検査結果を記載した「療養計画書」へ署名をいただくことがあります。ご協力をお願いします。
一般名での処方について
政府は医療費を抑えるためにジェネリック医薬品の使用を推し進めています。現在、先発、ジェネリックを問わず医薬品の供給が不安定な状況が続いています。そのため当院では、一般名(有効成分の名称)での処方箋の発行を行っています。